今回は自動車ユーザーにとっては避けることのできない「車検」についてです。
車検といえば確かに安全に運転する上で重要な検査ではありますが場合によっては車自体買い替えた方がマシなんじゃないかと思えるくらい費用がかかりますよね。
僕は以前乗っていた車に車検の時期がやってきたときにあまりに状態が悪く(僕の扱い方が悪すぎたためです。)軽自動車であったにも関わらず20万近くかかりそうだったのでやむを得ず廃車にしたことがあります。
今回はそんな昔の僕のような境遇で悩んでいる方に間違いなく最安で車検を突破できるであろう「ユーザー車検」について紹介していきたいと思います。
ユーザー車検とは?
一般的に車検といえば自動車整備工場やディーラーなどのプロの方にお金を支払い全部お任せ~というイメージがあるかもしれませんが、近年人気が上昇しているユーザー車検は、自分で色々手続きや点検などしなければいけないけどその分費用を節約できる、というものですが決して難しいものではありません。ユーザー車検自体は誰にでもできます。
チェック内容がどのようなものかは、マイカーの事前チェックにて解説していますのそちらを参考にしてください。
ユーザー車検の相場
ざっくりとですが普通乗用車の場合だと総額8~9万円台、軽自動車であれば3~4万円台で済んでしまいます。
実際にご自身の車の車検証を見ながら試算してみてください。
↓車検と車の手続き案内センター様より(以下リンクです。) ↓
いかがでしたか?大きな欠陥がなければ大体このくらいに抑えることができます。
ちなみに僕が以前乗っていた車はフロントガラスにとても長い亀裂が入っており、車に詳しい知人からは純正ガラス交換だけで10万くらいかかると言われたため実際に調べもせず断念しました。
その時はユーザー車検の存在も知りませんでした。。。無知ってほんと損するなあと痛感。
おおよその費用を確認出来たらユーザー車検の流れについてです!
ユーザー車検の流れ
ユーザー車検当日以前
- インターネットから予約
・普通自動車の場合は自動車検査インターネット予約システムから。
・軽自動車の場合は軽自動車検査予約システムから。
※ユーザー車検は電話などではなくインターネットからの予約が必要です。 - 必要書類の準備
必要書類については書類など、準備するものでご確認ください。予約前に準備しておくとより安心ですね。 - 内装・外装その他機能についてあらかじめチェック
当日を迎える前にセルフチェックするべき点はマイカーの事前チェックにてご確認ください。
ユーザー車検当日
- 予備検査場(テスター屋さん)で最終調整
陸運支局の近隣には通称テスター屋さんと呼ばれる予備検査場が大抵あります。
何をしてくれるのかというと、検査当日の本番と同じ検査内容を有料で行ってくくれるところです。
テストしたい箇所を選べるようになっており、フルでテストしても2~3,000円台。
本番で不合格になってまた整備し直す時間や手間を考えたら良心的です。
検査項目は サイドスリップ検査・調整、各ブレーキ・スピードメーター検査、ライトの光軸検査・調整、排気ガス検査・調整です。この際に不合格になると本番での合格は難しいでしょう。修理、整備してから出直すことになります。
また、地域によっては予備検査場が存在しない、一般の方は利用できないなどの制限がある場合がありますので必ず事前に確認が必要です。 - 特定の用紙を入手、記入
下記の3種類の書類については当日に陸運局で見本を見ながら記入出来ますので事前の準備はしなくても大丈夫です。
・自動車検査表
・自動車重量税納付書
・継続審査申請書
全ての必要書類については書類など、準備するものでご確認ください。 - 重量税・検査手数料を支払う
窓口で自動車重量税額分と、検査手数料分の印紙、証紙を購入します。
購入した印紙、証紙をそれぞれの書類に貼り付けます。
自動車重量税印紙・・・自動車重量税納付書へ。
検査手数料印紙、証紙・・・自動車検査票へ。 - 自賠責保険の継続手続き
車検取得の際には自賠責も同時に更新します。
この手続きは運輸支局近辺の代書屋さんというところでやっています。 車検証と現在加入中の自動車損害賠償責任保険証明書が必要になりますのでお忘れなく。 - 納税確認
自動車税納税証明書(継続検査用)を自動車税事務所などの納税確認窓口に提示し、証明書に問題がないことを確認してもらいます。 - 書類を提示し受付完了
準備した書類一式を提出していよいよ検査コースで受験開始です。 - 検査コースへ
検査項目については検査場コースでの検査項目、流れを、
検査に合格できなかった場合については不合格になった場合をご参考ください。 - 合格したら交付
窓口で新しい車検証とステッカーをもらって終了です。お疲れさまでした。
書類など、準備するもの
- 車検証
- 自動車損害賠償責任保険証明書(新旧2枚が必要)
車検を受ける前までに継続加入の手続きを行っておきましょう。当日に代書屋さんで手続きも可能です。 - 自動車税納税証明書(継続検査用)
自動車税を滞納しておらず、納付から三週間以上経過している場合は省略可能です。 - 使用者の認印
7.継続検査申請書 に押印します。署名でも大丈夫です。 - 自動車検査票
当日に運輸支局で入手できます。 - 自動車重量税納付書
当日に運輸支局で入手できます。 - 継続検査申請書
当日に運輸支局で入手できます。 - 定期点検整備記録簿
法定点検が終わっている場合に必要。(車検後に行う場合は不要です。)
マイカーの事前チェック
ユーザー車検を受ける際には以下の項目をセルフチェックしましょう。もし自力で直せない箇所があれば専門の業者に頼みましょう。
- 灯火装置
自動車の外観となっている全ての灯火装置 (ヘッドライト・テールランプ・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウインカー ・ハザード等)に十分に点灯していない箇所があれば電球を換えるなどして修理しましょう。 - タイヤ
溝が1.6mmに満たない場合は交換が必要です。 - ガラス
ヒビや割れがある場合は修理してください。また、フロント、運転席や助手席横のガラスに検査標章や点検ステッカー以外のシールや着色フィルムを貼っていると検査に通りませんので剥がしましょう。 - 内装
シートベルト、ホーンマーク(ハンドルのラッパマーク)、各ギアのマーク(P、R、N、D、L等)、発煙筒の使用期限や有無。 - メーター廻り
メーターに警告サインが出ている場合は原因を追究し解決する。 - ワイパー
ワイパーが正常に作動するかどうか。 - ウィンドウォッシャー
ウォッシャー液が切れていないか。 - クラクション
クラクションは正常に機能しているかかどうか。 - マフラー
空吹かしし、排気漏れがないか確認する。排気漏れがあった場合は交換するか補修剤で補修する。 - ドライブシャフトブーツ
タイヤの内側と車体中央部に付いているゴム製の部品です。ハンドルを左右両方にめいっぱい切って全体に破れが無いかを確認します。前輪駆動車はフロントタイヤと車体中央部、後輪駆動車はリアタイヤと車体中央部に付いています。 - ステアリングラックブーツ
同じく車体中央部に付いているゴム製の部品です。左右の両方のフロントタイヤの隙間から覗き込み確認します。
検査場コースでの検査項目、流れ
- 同一性の確認
まずは車検証や申請書類の記載内容と、車両が同一であるかの確認です。検査官の方に書類一式を提出し、車台番号などと一致しているか確認してもらいます。 - 外廻り検査
次は自動車の外観(車体・灯火類など)に問題がないかの確認です。
まず前方から、ヘッドライトのスモールから全光までの光量やハイビーム、ロービームの切り替え、左右のウインカーの点灯を確認します。
そして後方へ向かいながらタイヤのホイールナットに緩みがないか確認します。
検査官が後方に回ったらテールランプ、ブレーキランプ、バックランプ、左右ウインカー、ハザードランプの点灯を確認してもらいます。
ここまでで問題がなければ自動車検査票に外廻り検査合格の押印がされます。
外廻り検査の後はコースに入り、各項目を検査していきます。 - サイドスリップ検査
前輪タイヤの横滑り量(直進安定性)の確認。
検査コース内に指示を出してくれる電光表示機付きの専用ラインがありますのでラインの上をゆっくり、ハンドルを切らずに安定して直進できるかの検査です。
運輸支局近辺の予備検査場(テスター屋さん)でも検査できますのであらかじめ受けておくと良いでしょう。
予備検査場については予備検査場(テスター屋さん)で最終調整で紹介しています。 - ブレーキ検査
前輪・後輪・駐車ブレーキの制動力の確認。
サイドスリップ検査の後はそのままブレーキ検査に入ります。ブレーキ検査に関しても専用ラインで行いますので同様ゆっくり前進し、電光表示機の指示に従って検査を行ってください。 - スピードメータ検査
実際の速度と、速度表示機器との誤差の確認。
スピードメータ検査はブレーキ検査時と同じラインで行います。車体を浮かせた状態でタイヤを回転させ、電光表示機に表示された速度までメーターが上がったらパッシングする。という形です。 - ヘッドライト検査
ヘッドライトの光量・光軸が、基準値内であるかの確認。
ヘッドライト検査も同じラインで行います。ここでは専用のテスターが測定してくれますのでロービームでヘッドライトを点灯させたら結果を待つのみです。
ここまでの検査が終わったら一旦記録器に検査票挿入し、結果の記録を行います。 - 排気ガス検査
排出ガスのCO(一酸化炭素)と、HC(炭化水素)の濃度の確認。
記録器の横に設置されている排気ガス検査機から伸びているプローブを車のマフラーの出口に差し込んで検査します。
排気ガスの検査が終わったら再び記録器に検査票を挿入して記録を行います。
また、ディーゼル車に関してはディーゼル車専用の検査を行いますので検査官の指示に従ってください。 - 下廻り検査
車両下部の不具合(かじ取り装置・オイル漏れなど)の確認。
再びラインへ車を前進させます。ここでは電光表示機の指示に従って、ブレーキを踏んだり、サイドブレーキを引いたり、という操作を行うことによってブレーキ機能の安全性を検査します。
最後に記録器に検査票を挿入し記録したら全ての検査が終了したことになりますので、コース出口の総合判定ボックスに書類一式を提出します。
合格であれば押印がされますので窓口で新しい車検証とステッカーをもらって終了です。
ここまでがコースでの検査の流れとなります。尚、一度の申し込みでのコース入場は三回までとされていますので、一度で合格できるように事前のチェックや予備検査場を利用するようにしましょう。
不合格になった場合
合格できなかった場合は不適合個所を2週間以内、もしくはそれ以降の異なる2パターンで整備し直した車を再検査してもらう必要があります。
- 二週間以内の場合(不適合個所のみ再検査)
不適合だった箇所のみ再検査を行います。
その際には合格できなかった日のうちに限定自動車検査証を交付してもらう必要があります。交付自体は無料ですが再検査当日に手数料として1,300円かかります。 - 二週間以降の場合(全ての項目を再検査)
この場合は限定自動車検査証の交付は必要ありませんが、小型で1,700円、普通で1,800円の手数料が必要になります。
いずれの場合にも注意したいのが、不合格となったことで車検が切れてしまう。というケースです。
ユーザー車検当日項目の 4.自賠責保険の継続手続き で継続加入した保険期間が、再検査で新たに取る車検有効期間をカバー(車検有効期間より1日でも多い保険期間に加入)できなくなってしまうケースがあります。
そのケースに当てはまる場合は、できるだけ早く継続加入を行った代書屋さんなどに行き、保険期間の修正手続きをして下さい。
いかがでしたか?ユーザー車検はそこまで大変なことではないのです。
受検までにしっかりマイカーの事前チェックをしておけば大きな異常が見つからない限り、専門業者に依頼した場合と比べて費用を数万円安くすることが出来ます。
また、ユーザー車検を通じて日頃からこまめに点検する癖も身に付きそうですよね。
車検は一般的に2年に一度ですし今後も車を使用することも考えると、ユーザー車検は専門業者に頼んだ際のおよそ半分まで削減でき、将来的に大きく得することが出来ると思います。
ありがとうございました。
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